S&P500や全世界株式へのインデックスファンドへの積立投資していますか?
インデックス積立投資のスタンダードである両銘柄への投資は他の記事で書いている通り、私も積極的に行っています。
S&P500や全世界株式へのインデックス投資は長期運用における最適解であると私自身でも考えていますが、今後成長する可能性のあるNASDAQなどのハイテク株に投資をするのはどうなのかを解説します。
急成長しているNASDAQ100は買っても大丈夫なのか?
未来は誰にもわかりませんが、過去は知ることができます。
過去の積み重ねが未来へ繋がると私は信じていますので、過去20年を検証してみます。
更にハイテク株銘柄であるGAFAM、FANG、テスラなどにも投資すべきかも解説します。
米国株がスタンダード
現在では米国株がブームというかスタンダードになっています。
米国株・・・米国ETF(VTI)
投資信託(楽天全米株式インデックスファンド)
S&P500・・・米国ETF(VOO)
投資信託(eMAXIS Slim米国株式、SBIバンガード)
最近では急成長しているハイテク株が人気になっています。
米国市場ではニューヨーク証券取引所とNASDAQがあります。
NASDAQは世界最大のベンチャー企業向けの市場で上場している企業はITやハイテク企業です。
誰もが知っているGAFA(Google(アルファベット)、アップル、フェイスブック、アマゾン)もNASDAQに上場しています。
NASDAQに上場している約3,000社の時価総額を算出した『NASDAQ指数』というものがあります。
簡単にいうとNASDAQに上場している約3,000社の詰め合わせパックです。
これは時価総額順に割り振っているので、聞いたことも無いような会社とアップルなどの会社では比率が全く異なります。
ちなみにS&P500は米国の大型株500社の詰め合わせパックです。
S&P500が人気なのだから、有力ベンチャー企業である3,000社の詰め合わせパックであるNASDAQ指数に投資したい!と考えが出てきて当然ですよね。
しかしながら、現在では『NASDAQ指数』には直接投資が出来ません。
(ETFや投資信託がありません。)
代わりに『NASDAQ100指数』には投資が可能です。
NASDAQ100指数とはNASDAQ上場の金融セクターを除く上位100社の詰め合わせパックです。
NASDAQ100指数に連動した米国ETFや日本で購入できる投資信託が存在し、今人気が出てきています。
NASDAQ100指数への投資方法
NASDAQ指数へは現在は直接投資が出来ませんが、金融セクターを除く上位100社の指数であるNASDAQ100に対してなら投資ができます。
米国ETF・・・QQQ(トリプルキュー)
日本ETF・・・上場インデックスファンド米国株式NASDAQ100(2568)
投資信託・・・大和iFreeNext NASDAQ100インデックス
eMAXIS NASDAQ100
NASDAQ100インデックスファンドの比較
NASDAQ100指数のインデックスファンドはETFなら米国ETFならQQQ、日本ETFなら2568。
投資信託なら大和iFreeNext NASDAQ100インデックス、eMAXIS NASDAQ100です。
ETFと投資信託の簡単なおさらいです。
ETF・・・株と同様にリアルタイムで売買できる。1株単位で買う。
投資信託・・・口数・金額を指定して、取引終了後の基準価格で買う。
インデックスファンドにおける大事なことは『低コスト』であること。
そこで、QQQ、国内ETF(2568)、投資信託(大和、eMAXIS)で比較してみました。
為替手数料 | 売買手数料 | 経費率 | |
---|---|---|---|
米国ETF(QQQ) | 0.003% | 0.0495% | 0.2% |
国内ETF(2568) | なし | 0% | 0.375% |
投資信託(大和、eMAXIS) | なし | なし | 大和 0.58%程 eMAXIS 0.53%程 |
最もコストの安いのは米国ETFのQQQです。
結構な額を纏めて運用するよって方は米国ETFのQQQでいいかと思いますが、コツコツ少額を積み立てていきたいという方は100円以上1円単位で購入できる投資信託がオススメです。
さらに米国ETFは2重課税になるので確定申告すれば取り戻せますが、初心者は面倒ですね。
投資信託なら分配金も自動で再投資してくれますので複利効果も相まって、私は投資信託でNASDAQ100へ投資しています。
投資信託は大和とeMAXISで比較するとeMAXISの方が若干コストが安いですが、新しい投資信託なので純資産が少ないです。
純資産はeMAXISなら有名なので、これから上がっていくとは思います。
そのため、私は大和iFreeNext NASDAQ100ですが、これから始めるという方はeMAXISでもいいと思います。
大和とeMAXIS以外にもファンドはあります。
信託報酬も大和より若干低いですが、リターンが大和の方が勝っており、純資産も圧倒的に大和の方が多いので、今回は選択肢から外しています。
S&P500とNASDAQ100を比較
S&P500とNASDAQ100の20年間を比較してみました。
紫のチャートはNASDAQ100(QQQ)、青いチャートはS&P500です。
2001年5月から2021年5月までの20年間のチャートですが、開始地点からNASDAQ100(QQQ)は632%上昇、S&P500は232%上昇しています。
S&P500も十分凄いですが、NASDAQ100は圧倒的ですね。
2倍と6倍ですからね。
NASDAQ100でも低迷していた時代も当然あります。
NASDAQ100の低迷時期として2000年のアメリカITバブル崩壊による暴落が挙げられます。
上のチャートは2000年〜2018年のNASDAQ100とS&P500の比較ですが、先程とは打って変わり、NASDAQ100は46%、S&P500は76%とマイナス成長です。
ITバブル崩壊でNASDAQ100は最大80%暴落してます。恐ろしいですね。
その後は目覚ましい成長を遂げましたが、この時点ではS&P500よりも大きく下回っているのが分かりますね。
参考までに、こちらはNASDAQ100と日経平均の比較チャートです。
期間は先程のと同じ2001年5月から2021年5月までです。
日経平均弱すぎますね・・・悲しくなります。20年前から1%しか上昇していません。
S&P500とNASDAQを比較してみた結果
NASDAQ100は2000年〜2018年までは低迷していました。
この期間に淡々と購入し続けていれば、かなりの利益になりますが、80%も暴落している中、常人のメンタルでは到底堪えきれずに損切りしてしまうと思います。
長期の低迷株を買い続けることは難しいですよね。
しかも当時はNASDAQ100やS&P500に連動する投資信託もなく、直接購入するにしても特定口座では買えないという制約もあり、買っていた方は殆どいないと思います。
NASDAQ100とS&P500を買った場合
NASDAQ100(QQQ)とS&P500(SPY)を実際に買った場合には、配当込みでどうなったのかを検証してみます。
上の表はNASDAQ100に連動するQQQを買った場合の円建てリターンです。
20年だと年率+10.4%ですね。
上の表はS&P500に連動するSPYを買った場合の円建てリターンです。
20年だと年率+7.2%
共に2021年4月末時点となりますが、20年という長期的な運用だと、NASDAQ100もS&P500も大した違いは無いという結果でした。
NASDAQ100は「買い」なのか
近年の目覚ましい成長率を誇るNASDAQ100ですが、S&P500と年率リターンを比較すると、20年だとそんなに差がないことがわかりました。
これから20年先、30年先はわかりませんが、過去のデータから分かることは、NASDAQ100は『長期運用向きではない』と思います。
テクノロジーの進化は今後も当然起こっていくでしょうが、 NASDAQ100は一旦低迷すると抜け出すのに時間がかかる点、S&P500が優秀過ぎるという点を考慮すると以下の投資方法をオススメします。
メインの長期投資はS&P500にして、NASDAQ100はあくまでもサブ運用にとどめて、短期・中期運用を目指す。